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なすび [居酒屋]

なすび.jpg
旅館の女将みたいなママに導かれた「なすび」店内はかなり広い店だった。
カウンター10席。座敷は柔道の乱取りくらいできそうです。廊下奥にもまだ別室の座敷があった。
座敷が広いからカウンターも長く感じた。
お座敷.jpg
カウンター.jpg
(これは再訪時の写真です。)

ママがいて、お揃い紫のTシャツ姿の女性スタッフが3人いた。
計4人。この店の広さ、座敷の広さ、個室やカラオケの離れもあるようなので、これだけの人数は必要だろうな。3人いるスタッフはおそらく地元近隣から手伝いに来てる農家のオバさん・・・あっ失礼、陽に焼けてらしたので・・・主婦の方々だと思います。
ママがスタッフに指示をする際は命令調ではなく、「お願いしますね」という上品な声音だった。
「〇〇伝票チェックしました」
「ありがとうございます」
「お蕎麦、お出しします」
「お願いします」
こういう感じです。
ビールとお通し.jpg
お通し.jpg
カウンター客は私だけだった。
「カレー焼うどんって量多いですか?」
「ええっと。。。」
ママはちょっと考えてる。
「こ~んなにある?」って言いながら私は両腕で大皿の輪を描いてみせる。
そしたらママは、「まぁまぁの量ですねぇ。こ~んなくらい」って言いながら、両手の手のひらでま~るく円を形ち作った。
まぁイケそうだな。お願いした。それとスパゲティサラダ。
わざわざ磯部まで来てそんなんオーダーするなよっていうお声が聞こえてきそうだが、私はショウさんの記事のメニュー写真を見て暗記してたのもあって、カレー焼うどんとスパサラは喰うって決めてきたの。

注文した後でママが言うには、
「締めにサービスでお蕎麦が出ます」
は???
もう締めのオーダーかい。
サービスで蕎麦が出るのはショウさんの記事で見た。
「じゃぁその分だけ腹ん中を残しておきます」
[わーい(嬉しい顔)]
見てると座敷のお客さんに締めのお蕎麦がどんどん出て行ってる。
盛り蕎麦らしい。私は蕎麦の茹で時間、汁を温める時間、水切り~盛る時間、私が喰う時間、プラス磯部駅までの徒歩時間15分を加算して上り最終電車時刻から逆算した。なので私はこの店に入って早々に帰る時間帯を考えざるを得なかった。
田舎街・・・って言ったら失礼だがそういう地域での酒場だから、わざわざ電車で来た以上は仕方がない。乗り遅れたらタイヘンだもん。
この地域の文化というか代行業者もあるんだけど、私はこっちでも東京神奈川の感覚なので、こっちでも飲みに来るのにくるまで来るっていうのはイマイチめんどくさいのだ。昨年、1年住んだ時も1度も代行は使わなかったですよ。

お品書きをジロジロ見ているところ。
お品書き1.jpg
お品書き2.jpg
お品書き3.jpg
お品書き4.jpg
お品書き5.jpg
お品書き6.jpg
家庭料理ばっかりだなぁ。
本日のおススメや、名物料理みたいなのはないようです。定番だけです。
そういえばここに来る前に団地みたいなのがあったが、もしかして寮かも知れない。そこのお客たちが家庭の味が恋しくなってこの店に来てるのではないか。だからこれだけの家庭料理が並んでるんだろう。

スパサラですが、銀座アーケード「梅ふく」の小鉢スパサラを想像したんだが、出て来たものはというと、
ゲゲッ!!
スパサラ1.jpg
なんなんだぁこの量は!!
取り分けるトングまで添えてある。
スパサラ2.jpg
スパサラ3.jpg
うわぁ~、凄いボリューム。。。。
スパゲティというか冷やし中華のゴマドレみたいでしたね。

続いてカレー焼うどん。
「多かったら残してくださいね」とは言われたが、私は貧乏性でこういう時だけ責任感が強いので、残したら悪いなという気持ちが先に立つ。
生ビールがススむアテではある。
カレー焼うどん.jpg
カレー焼うどんとビール.jpg
座敷に出て行く料理の量を見たら、豚肉の焼き物・・・おそらくはバラ肉焼きだと思われますが、ウインナー焼き、キムチ炒め、見てたらいずれも2人~3人前のボリュームだった。
豚肉なんかママが韓国料理ばりにハサミでジョキジョキ切って豪快に焼いていた。

ママが電話をかけてる。
「もしもしなすびでございます。先ほどはありがとうございました。あの、実はですね。私が思ってたより早く皆さんお帰りになっちゃったのでお金を多く頂き過ぎちゃったんですよ。税込で45なのに5000円も頂いちゃって。ごめんなさいすみませんでした。500円かける人数分をお返ししたいんですけどどうすればいいでしょうか。領収書も書き直しますので・・・」
という内容であった。
ああ、俺が来た時に見送ってたタクシー客だな。不心得者の私は口には出さなかったけどそんなん黙っときゃいいのにって思ったよ。そのお客さんは領収書をきった以上は会社のお金でしょうしさ。領収書に多めに数字が書いてある分にはいいのよ。
真面目だなぁ。
その電話の声音を聞いて思ったの。誰かに似てる。
そうだ。GETU。。。のママに似てる。年齢も細身の容姿もそうだが声音がソックリなんです。
でもGETU。。。は小さい店だし、ママは天然だし、店にこれだけのスケールはないし。
でも酷似している。声音がね。上品だし。
カウンターからTVを見上げる.jpg
ママは常連さんと話す傍ら、ちょっとだけ私にも話しかける。
TVのリモコンを私に手渡して、「お好きな番組に変えてくださいね。カウンター席だけの特権ですから」と微笑んだ。
ママから見たら一見のカウンター1人客、私のことだが、ブスッとして飲んで退屈してるように見えたので気ぃ遣ったのだろうけど、私はTVなんか見ない。
見ないんだけど、流れてた番組が皮肉にも、「試してガッテン、うまっ!!次世代パスタ」というものであった。
私はパスタではないがスパゲティサラダを完食している。次にカレー焼うどんを平らげた。最後の締めには蕎麦が出るのもわかった。喰ったものとTVに流れるパスタ=麺=炭水化物が重なり、良くも悪くもこれはこの店の余興かい?ってくらいの絶妙のシチュエーションになった。

この時カウンター私から3つ離れた席に地元の常連さん、男性客がひとりいて・・・後で名刺をいただいたが私はあいにく自分の名刺を持ち歩いていなかった・・・裏メニューでスパゲティミートソースをオーダーされていた。
「初めてですけど作ってみます」と言って調理にかかったママだが、おそらくその男性もTVに映ってる試してガッテン次世代パスタを見て喰いたくなったんじゃなかろか。
ところがママはその裏メニュー、初めて作ったというミートソースを多く作り過ぎたらしい。これまたカウンターの特権なのか、小皿で私んとこにもお裾分けが回ってきた。
だがこれでスパサラ、カレー焼うどん、スパゲティミートソースと3つのヌードルが続いたわけである。
ヌードル、ヌードル、ヌードル。。。ヌードル×3品。
アンタはそのトシまで何年、居酒屋を探索してるんだい?初めて来た居酒屋でそれかい?ってなモンですよ。焼き鳥も刺身も焼き魚も喰ってないのに腹が一気に膨れた。
そして締めには蕎麦が出るとなると。。。
私の脳裏からドーミインの夜泣き蕎麦が消えてなくなった。
ミートソース.jpg
どうよ?この組み合わせ?
何故かこういう組み合わせに.jpg
ミートソース、パルメザンチーズが欲しかったな。
だがこのままだと炭水化物攻勢で私はこの店に敗北する。何か一矢を報いないと。
ということでモツ煮。上州酒場の定番です。
モツ煮.jpg
モツ煮と熱燗.jpg
モツ煮が来て、ママが隣の常連さんに言うには、
「私はこのトシまでスナックに行ったことないんです。パチンコにも行ったことないんです。でも先日、お休みの日に、くるくるまわるお寿司屋さんにいったんですよ。死ぬまでに一度、スナックやパチンコに行ってみたいワぁ」
???
一度でも二度でも何度でも行けばいいじゃない。ママが自分で言ってる自虐的な年齢ネタは、後日再訪した日も何かのネタで、「そこまでいったらアタシお化けになっちゃうぅぅ」なんて言ってましたよ。こっちは困っちゃって、まさか「そうですねぇ」なんて相槌も打てないしさ。
グラス酒はサービスです.jpg処理済~ママ.jpg
途中、座敷のお客さんのタクシーを何回か呼んでいる。
やはり歩いて帰る人っていないようですね。タクシーも磯部駅とこの店のピストン送迎のようである。
私は熱燗飲んでたたのだが帰りは歩くの止めることにした。往路は下り坂だったが、帰りはあの坂を上るのがシンドそうに感じたのである。
ママはタクシーを呼んだ座敷のお客に聞こえないように、「なすびでございます。今日は何度もお呼びして申し訳ございません。また1台お願いできますか?」
タクシーは磯部駅からすぐにスッとんで来る。でもお客ってタクシーを呼ぶと安心しちゃってなかなか腰が上がらないものなのだ。そしたらママが、「お待ちになってる間、運転手さんにお飲み物を差し上げてください」という気配りを見た。
へぇ。。。
店は客をもてなすわけだが、タクシーで客が帰るのはその仕上げでもある。都会と違って地元のタクシー運転手さんは同じような顔ぶれなので、タクシー呼んだらもう店の管掌じゃないから後は知らん顔というわけにはいかないのです。この酒場も送迎タクシーも地元で連携していて、同じ夜空のもとで働く仲間というわけである。
「運転手さんにお飲み物をお渡ししてください。。。」
これは私の胸中、深く印象に残った。

ママが何故か週刊誌を持って来た。
「お座敷にご挨拶に回ってきます。」
行けばいいじゃない。で、この週刊誌は何?何か重要なことでも載ってんのか?
「これでもお読みになっててください。この本、まだ新しいですから大丈夫ですのよ。私しか触ってませんから。他の人は誰も触ってないから安心してお読みになってください」
???
苦笑した私は週刊誌読みながら酒を飲む?
読みながら飲むっていう週刊・・・じゃなかった習慣は私にはないのだ。事件記事しか載っていない。目次だけパラパラめくって閉じました。
キレイな週刊誌.jpg
ママは座敷の各テーブルにご挨拶で回っている。
もしかして旅館業に携わってたってことはなかったか。この店の広大な敷地からして、磯部温泉の素泊まり客が利用する店だったのかも知れない。
だったのかも知れないというのは、磯部温泉ってお世辞にも賑わってるとは言えないように見えるのだ。週末以外はね。
宿をクローズして転職されたのかもって思った。実はそういうことはなく、この店の開業時の経緯は再訪した時に明らかになった。

締めの蕎麦の分だけ腹を空けておきながら、男山を冷やでいただいた。これまた最初はサービスだった。悪いので舛酒で注文しましたよ。
「男山、冷やで」
ママの指示がとんだ。
「いっばいこぼして差し上げて下さいね」
受け皿にドボドボいっぱいこぼしてくれた。下す際、カウンターを濡らしてしまった。

こぼしちゃってください.jpg
磯部駅の上り最終電車21時53分に合わせて、21時20分に締めのお蕎麦を頂いたが既に満腹であります。でも残してなるかと意地で完食した。
そば1.jpgそば2.jpg
上り最終で帰るのがカウンターの常連さんに伝わり、ダイヤが乱れてた情報を得たが、「上りなら大丈夫でしょう」とのことであった。
タクシーを呼んで貰い、お会計を済ませたら。。。
何と!!4000円でお釣りが来たのである。大丈夫か?勘定間違っとりゃせんか?
私は裏メニューのミートソースのご相伴にあずかったのを謝して、カウンター男性に「お裾分けありがとうございました」と一礼して立ち上がった。

「こちらにお住まいですの?」
「いや、今年の春まで転勤で住んでたんですが東京に引き上げました。今日は出張で。。。」
「遠くから来て下さったんですね~」と言うママに外で見送られ、名刺をいただいた。そしたらカウンターの男性も外にスッ飛んで来て私に名刺をくれました。この男性はお仲間が欲しかったみたいですね。仲間を誘う電話を数件かけてたがことごとくフラレてたし。
なすび?.jpg
名刺を貰ったからってすぐ次の何かに繋がるわけじゃないが、普段、慣れた街で慣れた店で飲み歩いているので、久々にハートフルな触れあいを味あわせていただいたよ。
次回はヌードル4品なんてバカな喰い方はしません。ショウさん、どーもでした。
コメント(4) 

コメント 4

satomi

どこが粉1なんですか???(大笑)
スパゲッティサラダに、焼きカレーうどん、〆に蕎麦・・・・

居酒屋で栄養バランスを考えなくてもいいけど
成人病にはお気を付けくださいまし。
by satomi (2013-10-28 15:57) 

ショウ

ジャンさん、こんばんは
食べ過ぎです(笑
ただ、この量は初めてのお客さんや慣れていない方ようの通常ボリュームですね。これが、常連さんや若いお兄ちゃん(失礼)なんかだと、量が倍になりますよ!ちなみに私が焼きそばや焼きうどんを頼むと、少なめって言ってるのに2玉になります。
再訪されたとの事で、次の話があると(信じて)、ネタばらしになりそうな事は書きませんが、一つだけ。スタッフの女性の内、お一人(名前で呼ばれている若い方)は、実の娘さんです。海外へ留学されていたんですが、戻られて手伝っています(次のネタだったらごめんなさい)。
では、次の話を楽しみに待っております
by ショウ (2013-10-28 19:58) 

船山史家

satomiさんおはよ。
わざわざ行った初めての店でなんでこんな注文になっちゃったんでしょうねぇ。よくある小鉢のスパサラを想像していたのですが、ゴマドレの冷やし中華みたいでした。野菜ドッサリでしたが、これでも居酒屋探訪家を多少は自負する私が「野菜サラダぁ」なんてこっ恥ずかしくってオーダーできないです。
おすそ分けでいただいたミートソース・・・ミート殆ど載ってなかったですけど、これが計算外、予定外でしたね。
再訪してんのですがそん時も粉ものを喰ってしまいました。上州の文化ですから。(^^;
by 船山史家 (2013-10-29 05:49) 

船山史家

この店の達人ショウさんこんにちは。
食べ過ぎました。でもこれで通常のボリュームなんですか?少なめって言っても2玉も。。。
粉ものばっかりなので翌朝にはしっかりお腹が鳴りましがね。

なすびが描かれたTシャツを着た女性スタッフが3人いました。実の娘さんでしたか。「娘がふたりいます」とは仰ってたんです。
この店、注文する前に、「これってどんな料理?どれだけのボリューム?」って訊いた方がいいかもですね。豚バラ焼きかな、単なる生姜焼きかと思ったら韓国料理みたいにハサミでジョキジョキ切ってましたよ。再訪時には、「なんだこれ?」って言いたくなるくらい私が予想しなかったモノが出て来ましてね。(汗)
ママに、「なんでなすびっていうのさ?」って訊いたらいろいろ話してくれました。ママにはまだまだ野望があるみたいです。この辺りは後日に。

群馬八幡駅近くにこれまた名店があるそうで行ってみるつもりです。上州の居酒屋おそるべしです。
ようやく外が白んできました。
by 船山史家 (2013-10-29 05:59) 

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