いもんこ [居酒屋]

秋田、岩手では里芋のことを芋の子というそうだが、店名のいもんこ、これも里芋のことらしいです。
「アタシはまだ行ってない」
「・・・そうだったかな・・・」
「行くまで認めない」
何を認めないのか。いもんこは案外と料理数、種類が多い店なので、2人で行くより3人以上で行くのがいろいろ食べれて望ましいのだが。。。
通勤快速で大船に着いて、
「〇〇やまは?」
「ちょっと高いから」
いもんこと道筋は全く同じです。場所は大船駅の東口を出て、モノレールの改札辺りで商店街に下りて横断歩道を渡り、クランクのように右折左折した先のハニービービルの2階です。少しわかりづらい。
この辺りは小さいスタンド酒場が多いようで、路上に置く大きさの外看板がた~くさん出ている。
あまりに多過ぎて、どれに入るにも多少の勇気が要るだろう。


2階というのがミソ。2階も6軒くらいの酒場が詰まっている。
この暖簾も、路地に出てるならまだしも、2階ですからね。ちょっと初めて入るには勇気いるかもね。






旦那さんが北海道、ママが九州の何処か(長崎か鹿児島だったかな)の出身です。
前回の記事でポルポさんからコメントを頂いてわかったのだが、お店のご夫婦は脱サラらしいね。確かにそういう雰囲気は出手います。客あしらいが上手いのは会社員の悲喜こもごもを知ってるからでしょう。
料理はいい意味で何処か素人っぽいというか、割烹のようなプロの料理ではないけどあたたかい。
でも見てると、料理はもっぱら女将さんだけで、サポートの女性・・・(・・・3回行ったが3回とも違う女性だった。それも美人揃い・・・)はまだしも、旦那さんは飲み物を出すかカウンター客に冗談ばっかり言ってるか、しめ鯖をバーナーで炙るだけ。

ファイヤー!!



「何でここで炙るのかな?」(ジャン妻)
「・・・」
最初、しめ鯖がデンと置かれて、しばらく待ったのです。
目の前で炙るのはイベントかも知れないが、
「炙ってから持ってくればいいのに。。。」
「・・・」
もしかして浜松の貴田乃瀬の炙りしめ鯖と比べてます?どうもジャン妻はやや機嫌が悪いようである。実は彼女、社内で上層部のシステム部門とトラブっている。システム導入のノルマだけ課されたが、全店に設定して回るにはちょっと不具合があって延期になりそうな気配なのである。
延期は延期で別に白紙に戻ったわけではないが、ジャン妻はうるさ型でシステム部門に煙たがれ、その導入スケジューリング会議にジャン妻は呼ばれなかった。
これには後で社長から、「呼ばれなかったんですか?」怪訝そうに言われたが、当事者を呼ばず上だけで決め、「アタシたちは結局は作業員」、という位置づけにプンプンである。
このせいでジャン妻との群馬合同出張も来年に延期になってしまった。その辺の憤懣が出ている。
ちゃんぽん麺の焼きそば。

この時、私らを含めてグループ3つから、私らのちゃんぽん麺焼きそば、ホントのちゃんぽん麺、皿うどん、3つの長崎ヌードルメニューが一気にオーダー入りして他の2組はちょっと時間がかかってましたね。別グループの皿うどんを見たら凄いボリュームだった。

生タコの刺身。
ジャン妻は生タコが好き。タコみたいだからね。

鶏ネギのピリ辛炒め。

馬刺。

やはりカウンターと、こっちの座敷、別の店に見えて仕方がない。ママは調理人だから仕方がないが、主人もカウンター客にベッタリなの。カウンター席はお一人様ようの特等席なので、2人でも小上がり、座敷に通されます。そういうのもあって店側との距離を感じるのは仕方がないかな。やはり3人以上、できれば4人いればそういうのが気にならなくなるんだろうな。




特製豆腐の冷ややっこ。
何がどう特製なのかようワカランが、これを持って来たマスターがボヤくには、
「今度、句会があって、お豆腐を季語にした句を出さなきゃならないんですよ」
私もそういう世界は得意じゃない。そういうのって考え考えてひねり出すんではなく、自分の番が来たら即座に詠まなくてはいけないんでないの?
「そういう会に入ってるんですか?」
「いや、入ってないですよ。組合のお付き合いみたいなものでね~」
句会ってことは、一句二句じゃないだろうと思ったら案の定、
「十句作らなきゃならないんです」
「じ、じゅっく??」
得意な人、造詣のある人はそういうのって十句でも二十句でもその場でアタマに浮かんで作れるんだろうけど。
「お帰りになるまで何でもいいから一句考えていただけませんか?」
「!!!」
そう来たかい。
でも私はそういうのって頼まれたらイヤとは言えない。金や手間がかからなければいいのである。
チーズ入りチクワの磯辺揚げ。

やはり2人だと胃袋に限界があるな。お会計をお願いする頃にようやく下手な一句が浮かんだよ。
湯気向こう 絹つつく先に 恋女房

笑うなよ。
「湯気の向こうに・・・何て詠むんです?」
「絹ですよ」
「???」
「絹。絹ごし豆腐のこと。木綿じゃ字余りになっちゃうからさ」
「これ、いただきますっ!!」
「・・・」
「いやぁ助かりました」
「でもあと最低、九句必要なんでしょ?」
「まだ当日まで時間あるんで何とか・・・」
そうやってトボケた口調であと9人のお客さんにお願いするんかな。小上がりから降りて靴を履いたら旦那さんも女将さんも満面の笑顔で見送ってくれた。

ジャン妻の感想は、
「美味しいよ。遅いけど。やっぱ2人より3人か4人の方がいいね」
だから言ったジャンか。
2014-11-24 09:24
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