SSブログ

酒が嫌になる薬? [居酒屋]

タイトルが薬剤名で、カテゴリは居酒屋?
まぁ聞いてくださいな。

当初、1日で帰京する予定だったのだが、某現場で人間関係のトラブルがあって、事情聴取に赴いた。
そのおかげで昨夜の1泊は経費が下りたので、ついでに各現場をラウンドして、自費でもう1泊することにしました。その夜の話です。
店名は伏せます。伏せてもわかってしまうかもですが。。。

午後後17時半。。。
まだ暖簾の出てない刻限ですが、私は社内接待があって、この店の小上がりを予約しようと開店前に引き戸を開けたら。。。
ある常連さんがいた。年配の女性です。
あまり他のお客さんのことを言いたくないのだが今回は聞いてくださいね。その方は入退院を繰り返していて、退院すると飲んでしまう困った人。でも飲んでいい体じゃないんです。
医者や家族は止めないのかな。止めても飲んじゃうのかな。一人暮らしかもしれない。

まだ開店前なのに既にカウンターで飲まれてる。
こんな早い時間から飲んで身体、ダイジョウブなのか?って思う。
見知った人かというと、上州に住んでた1年は出くわさなかった。最初に見たのは上州を引き上げてこっちに帰り、その後、出張に行った時の何処かで出くわしたんです。

身体が悪いと聞いていたが、その割にはずいぶんお飲みになるな。私なんかより遥かに飲まれる。長居してダラダラ飲んでる。
地元の方なので粗略にできないのだが、酔っぱらうと私にまで声高に話しかけてくるのに閉口する。
その日は予約だけだったので、マスターが、「小上がり、押えときますよ」
「お願いします」
そしたらその女性、「カウンター、アタシの隣でもいいわよ」
「いやいやいやいや、今日じゃないから。大事な接待なのでご遠慮します」って逃げた。

別の日の夜、ま~たその女性がいてカウンターの奥。
私はカウンターの入り口側に座った。その女性とは離れて座ったわけ。そしたら、
「こっち、近くに来てもいいわよ」
手招きされた。私は、「いえ、遠慮します」とお断りした。ハッキリ言いました。
「アラ、一言で嫌われちゃったわ」
「そうだよ」って苦笑する私は内心で舌を出した。こういうのはハッキリ言った方がいいんです。別にこっちはお近づきになりたくないし。
私はそれ以降、一切、視線を合わせなかった。
スズキ刺身.jpg
沖縄の豆腐?.jpg
西京焼に野菜付け合せが.jpg
私は軽く料理をオーダーする。
刺身以外のものは厨房で調理するので、マスターもスタッフの○○さん(おっちょこちょい)もカウンターから姿が見えなくなる。そしたら、
「マスターや○○さん(おっちょこちょいのスタッフ)が構ってくれないからさぁ~、ねぇ~、何やってんのぉ~?」
あのねぇ、マスターや○○さんは俺の料理を作ってんだよっ、ジャマすんなよっ、こっちは腹が減ってんだって。(このセリフは別の日にマスターに言いました。)
アナタを構ってくれないのは俺が料理を頼んだのが原因かい?足を引っ張らないでください。ただでさえ○○さんはおっちょこちょいでテンパり易いんだからさ。

その方、もうお勘定は済んでるのに気づいた。
で~もなかなか腰が上がらない。勘定済んだなら早く帰ればいいのに。マスターに「アタシ、お勘定済んだっけ?」これを2回か3回繰り返してました。呆れたのかマスターもべらんめぇ調になっていつもの遠慮のない言い合いになった。
TOTAL3時間かそこら居たらしく、ようやく帰られた。足元がおぼつかない。私はそっぽを向いて関わり合わないようにしたが、内心では、家まで帰れるんかい?ってちょっとだけ心配でもあった。ひったくりに遭わないとも限らないし。
体調悪くても、飲んじゃいけない体でも、ああまでして飲むもんだろうかってちょっと考えちゃいましたよ。

出て行ったらカウンターが途端に静かになった。
「アル中なの?」
「まぁ依存症に近いですね。でも他に楽しみがないからさ。退院するとウチに来ちゃうんです。家でも相当飲んでるらしくて。家の人も止めないみたいですね」
「勘定済んだっけ?って何回も聞いてたね」
「困ったことに本人は覚えてないんですよ」
「あれじゃぁ勘定済んでないよって言って何回もお金支払わせても気づかないかもね(笑)」

だが。。。
その女性、劇的な展開になったの後日知った。
別の日に行った時、マスターに、「あの酔いどれ女性はまだ来るの?」
「そうそう、それがですね。。。」
マスターは手を叩いてよくぞ聞いてくれたと言わんばかりに答えてくれた。
「あの後、救急車で病院にかつぎこまれて、それっきり一滴も酒が飲めなく、飲まなくなったんですよ」
「病院に?この店から?」
「いやいや自宅から。何でも酒を止める薬ってのがあって、それを医者に処方されたのに飲んじゃったんです。その薬は副作用か何か知らないけどお酒を飲んじゃいけない薬なんだって。なのに飲んじゃったらケイレンが来ちゃって救急車。そういう薬ってあるんですか?」

Z女史に確認したら、「それはシアナマイドよ。アルコール依存症の治療薬。まさか飲んだの?」
「いやっ[あせあせ(飛び散る汗)]俺は飲まないよ。酒、止めないもん。アル中じゃないよ俺」
おそらくこの薬.jpg
製品名はシアナマイド、タナベ製薬他で、成分名はシアナミドというそうです。
アルコールの分解、解毒を止めてしまう薬で、少量のアルコールでも酷い悪酔いの症状がでるのだ。敢てそういう症状を起こすことで断酒に繋がり、アル中を止めるわけ。酒を嫌いにさせるんです。嫌酒薬ともいうそうな。
ある意味、恐ろしい薬ではある。

「あんなに気持ち悪くなるのが怖くなってもう一滴も飲まなくなったんですよ」
「じゃぁもうこの店に来ないんだ」
「来てもノンアルコールビール。私と一緒(笑)」
へぇ、でもまぁヨカッたですねぇって言ったの。だがまだ後日談があって、
「その方、結婚したんです」
「結婚??」
「そう、シルバーなんとかっていってそういうのを引き合わせるのがあるんだって。そこでいい人と知り合って3回めの結婚だって。俺んトコなんか一つもそういういい話来ないのにさ。言いましたよ。お前ホント運が強いなって。今度は大事にしろよって」
そういう人生もあるんだ。でもよかったです。もうこの店でかち合うことはないかもですが、もし遭ったら、「マスターから聞きました。オメデトウ」それだけ言って、「でも俺には構わないでね」って。
コメント(6) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。