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ジレンマ~苦い夜 [BAR]

私がハデ子と呼んでいるキャラがいます。
メイクがケバく、服装がハデ、髪もチリチリで髪色も黄金色に近かった。でも外見に似ず古風な女で情に厚いのだ。
前から中枢での勤務を望んでいた。先に抜擢された雪子に続いてそれが適い、服装と髪型を地味にするという変な条件で本社に抜擢された。

条件が条件なので、髪はヘアカラーで言うところの2段階ほど落した。
豹柄のパンツなんか履いてたりしたが、今は黒や紺、グレーの上下スーツ。
「ハデ子が地味子になったな」
「・・・」
憮然とした表情。
でもメイクはそんなに変わらないので、
「首から上と首から下が全然別人だぜ」
「・・・」
「地味な服だなぁ。似合わねぇぞ。何処の古着屋で買って来たんか。葬式でもあるんかい?」って言いたい放題言ってたら社長に聞こえてしまい、「○○さん(私のこと)、い、今のはちょっとマズイです。あ、あまり大きい声で言わないように」って注意された。
雪子も顔をしかめてる。

2つの記事に登場しています。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-01-29で私に変な年賀状を送って来た。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-05-16にも。
FUZZ1.jpg
そのハデ子が地味子になって、横浜のさるBARみたいな店で私と差し向かいの夜。
ハデ子がある現場から相談を受けた。
裏で私も同じ現場の別ルートで全く同じ相談を持ちかけられたのだが、現場部門から管理部門へ、それも事務部門に異動させられた私は公に現場の相談に預かれる立場ではなくなったのである。
情報交換がてら、差し向かいでビールを飲んでたのだが。。。
「どうします?」
「何もできんよ俺は」
「どうしてですか?」
「異動になったからだよ。その際に上に止められたから。現場の各長に任せて事務部門は口を出すなってさ」
「でも何かの対応をしないと・・・」
「何もしてやれんて」
「○○さん(私のこと)は向こうは対応できて、こっちはできないんですか?」
向こうとは上州のスタッフたちです。
バカヤロウ、上州の子たちは俺の命だって言いたかったが言わなかった。

「向こうのスタッフは誰も辞めてないのにさ。俺らが不在だった1年間でこっちでは何人辞めたか知らねぇけど、今後はそういうのが増えていくだろうってそれが当たりまえのように言われたんだっ」
「ええっ、上はそういう考えなんですか?」
「上もそうだが君んとこの部長もそういう考えなんだよ。これからは辞めてくヤツは辞めて、残った者は富国強兵策ってわけさ」

ここでちょっと小休止。ビールを流し込む。

「でも、ついて来れない人の方が多いと思います。そういう人たちはどうなるんですか?」
段々詰問口調になってきた。質問の多いオンナである。
「どうなるったって・・・その人次第だろうがよ。ついて来れないヤツはついて来れるように強く変わるしかないんだ。俺たちみたいに長くいる連中なんか特にそうだよ。だって新規で入ってくるヤツは今の状態がアタリマエになるんだからさ」
「それはわからなくもないですけど・・・ついて来れない人たちを助けなくていいんですか。そんな情のない会社にしたくありません」
「それは・・・君らがやってくれ。雪子と2人でな。そういう会社にしたくなければキツくても君らがやるんだ」
「じゃぁ○○さん(私のこと)は何もしないんですか?」
「俺みたいなひとりひとり個人対応だと会社は前に進まないんだよ。でも俺はそんな薄っぺらな対応なんかできない。だったら最初っから関わらない方がいいんだ」
「そ、そんなっ」
ハデ子はやや怒りだした。
「○○さんが(上州から)戻って来て安心した子達もたくさんいるんですよっ」
これにはグッと来たが、俺は好きで帰って来たんじゃねぇ、当初は2年の予定。。。これはさすがに言わなかった。

「せめて裏で何とかならないんですか?」
「裏で?。。。」
「・・・」
「それだと指示や方向性が二重になって混乱するさ。やはり立場上、何もしてやれんのだよ」
「・・・」

私は目を逸らした。

その店、FUZZです。
FUZZ=ファズとはエレクトリック・ギターのエフェクトですね。原音を歪ませるもの。初期のエフェクターで、ジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアが使用していた。
ディストーションやオーバードライブより尖がった歪効果を生むものです。
FUZZ2.jpg

後でメッセージが届いた。
「お話を伺い、○○さん(私のこと)の苦悩も感じ取れましたが、社員に対する心遣いは止めないでください。公にはアクションを起こさずとも慕って来るスタッフには温情を与えてあげてください。心無い会社にだけはしたくありませんので。次回はイケメンBARで。たまには目の保養をしないと。」

このイケメンBARとは過去に掲載した「河より低いBAR」のことです。
河より低いBAR.jpg
前に行った時、マスターに、「次回来る時はツレがいると思う。その女の前でBlogとかジャンキーとか言っちゃダメよ」って言っといたのだが、今宵ハデ子を連れてったら閉まってた。
電話も出ないんです。ベンチも酒瓶の装飾も撤去されてたので、まさか閉店したかと思ったら外の床にビニールシートが被さっていた。
前にマスターが言っていた改装工事だろうか。
まぁそれは後日に確認するとして、今宵はネタ的に河より低いBARでなくてよかったかもしれない。FUZZはフランクな店ですが店内にかなりの大音量で洋楽のBGMが流れるので、憤懣やるかたない派手子と憮然としながら現在の境遇をブゥたれる私の会話は静かなBARではそぐわなかったかも。

私自身のジレンマ、煮え切らない私の態度に苛立つハデ子のもどかしさ。
ライトなビールが妙に苦い味がした。苦い夜だった。
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