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ぶらり途中下車 旅人の惑星 [居酒屋]

19:13発横川行に乗りこむところ。
ホームに停まってた信越線は4両編成だった。長野新幹線が開通するまでは本線だったが今は横川駅までの盲腸線になってしまった。
でも地元民にとっては大事な路線である。車社会の地だが、まだ免許を取れない年齢の学生さんが多かった。
車輛はドアを手で開閉するマニュアル車輛です。
開けっ放しでもだめです。やや隙間を開けてクローズします。
横川行19時13分.jpg
発車案内.jpg
ホームにいる駅員さんに訊いた。
「磯部駅ってSUICA使える?」
「ええっと。。。」
駅員さんは自信がなさそうだった。確認してた。「大丈夫です使えます」

私は何処へ行くのでしょう。
日本最古の温泉マークがある磯部へ飲みに行くんです。
磯部まで行かなくてもT市内で飲めばいいじゃないって?
今日はいつもの行きつけに行く気分じゃなかったのと、これから行く居酒屋は行ける時に行っておかないといつ行けるかわからないなって思ったのです。思いついたら今日っきゃない。いつ行くか?今でしょ?ってなもんです。
私はこの地に来ること自体が旅そのものなのだが、そこから更に1時間に本数少ない電車に乗ってぶらり途中下車の旅というわけ。

途中駅、北高崎、群馬八幡、安中と停車する毎に乗客数が減って行く。
車窓に写る風景は暗かった。進行方向右手にはバイパスと並走する区間があるのでやや明るいところもあるが、東邦亜鉛安中製錬所の夜景を見て、安中駅を過ぎたら周囲は殆ど闇の中です。

19時32分、私は一番最後部の車輛から磯部駅ホームに降りた。
電車はこの先、松井田、横川方面へ消えていった。
走り去る電車1.jpg
走り去る電車2.jpg
しばしホームに佇んで旅人気分。
これぞ旅愁というものであろうか。
私は今宵いっときだけ旅人の惑星になったような気分。
磯部駅電光表示.jpg
帰りの上り時刻確認.jpg
磯部駅.jpg

改札を出て21:53発上りが最終出電車なのを確認した。20:04を過ぎると上りは2時間弱も間があるのです。
磯部駅前には家人の迎えを待つ女子高生が20人くらいいた。
日本最古の温泉マーク.jpg

私はタクシーも使わず暗夜をトボトボ歩く。
薄暗い磯部温泉街を歩いているのは私だけ。前に載せた「いまい食堂」もこの時間でもう閉まっているぞ。
http://funayama-shika.blog.so-net.ne.jp/2012-11-19
いまい食堂.jpg
磯部温泉街.jpg
これから私が向かう居酒屋はゲストのショウさんの記事を見て事前リサーチ済み。
居酒屋なのに店の前にくるまが数台停まってたのを確認している。ってことは駅から結構な距離がありそうである。
くるまでなきゃ行けないのかな。行ったはいいけど休みだったら悲惨なので店に電話した。
「ハイ、なすびでございます」
上品な女性の声が返って来た。
「今日、営ってます?」
「ハイ、営っております」
「ひとりなんだけど入れますか?」
「ハイ、おひとり様でも何人さまでも大丈夫ですよ。お出でなさいませ」
優しげなこの電話で期待が膨らんだ。

誰も歩いてない暗い夜道を歩いてるのは私ひとりだった。
歩道にはガードレールもなく私スレスレにくるまが走り去って行く。
暗夜行路.jpg
私が歩いている夜道は昼中なら何回も走ったことがある。
殆ど私用というか探索で走った。赤穂藩逐電家老、大野九郎兵衛の墓がある松岸寺に辿りつく道なんです。
http://funayama-shika-2.blog.so-net.ne.jp/2013-05-31
昼と違って車道と歩道の境がわからないくらいに暗かった。シェルのGSを過ぎたら何処まで行っても真っ暗でコンビニもなく、自販機の灯りや、対向車のライトが頼りである。

5分か7分ほど歩いたら暗夜僥倖、一つの店の灯りが見えてきた。
目指す店かなと近くまで行って見上げたら確かにその店の電飾看板だったが。。。
なすび?.jpg
まだここじゃない。これは案内電光表示だった。
そこを左折、路地を歩いて行く。
途中、民家の路地を右折すると、公団?団地みたいなのがあって、ポンポンとボールを打つ音がコダマする。
路地1.jpg
テニスコートがあった。
野外照明が煌々と照らしている。右手は学校なのか公団なのか何かの寮なのか、白い建造物が闇に浮かび上がっている。
テニスコート.jpg
テニスコートの駐車場.jpg
前方からタクシーが来た。
おそらく磯部駅か安中駅に向かうんだと思うが、これから行く居酒屋へ送った帰りのくるまでしょう。ってことは磯部駅から歩いて行く距離じゃないのかな。

坂を下っていく。周囲は秋の虫の声がする。
前方から碓井川のせせらぎが聞こえてきた。構わず道がどんどん下って行く。このまんま行ったら川に突っ込んじまうぞ。

居酒屋は何処にあるのか見回したら、左手にまた電光表示があって、居酒屋なのに駐車場と堂々点いていた。
なすび駐車場.jpg
目指す店はこの駐車場からまたちょっと坂を下ったところにあった。

何だかホッとした気分。
随分と歩いた気がする。周囲は闇で、いったいここは何処なんだい?ってなもんである。ひとりで無事に辿りつけるかどうか。女性ひとりで磯部駅から歩いて来るのは止めた方がいいだろう。

敷地に足を踏み入れた。
旅館の駐車場に迷い込むように足を踏み入れたらそこは旅館ではなく居酒屋だったという趣である。でも結構広い大きい店のようですな。
ここまでどれくらいかかったんだろう。
i-Phoneiを見たら磯部駅から徒歩15分だった。帰りの距離と徒歩時間を咄嗟に逆算する。
今宵はいつもみたいに深酔いするほどガバガバ飲めない。酔い過ぎたらここまで来た莫大な距離の途中で行き倒れになるだろう。電車で帰るんだぞという意識をしっかり持たねば。

店の入り口前にはお勘定を終えたサラリーマンさん3人4人いて後から来る同僚を待っていた。支払を終えた最後のお客と店のママらしき女性が連れだって出て来たぞ。
細身で初老の(失礼)ママは着物姿か和服でその上に白い割烹着だか前掛けを付けていた。
タクシーが来た。女将?ママは5人いたお客さんを丁寧に見送っている。まるで料亭か旅館の女将といった物腰である。
タクシーは磯部駅発20:04発上り電車に合わせての送迎だと思う。私も帰りは無理して歩かないでタクシー呼んだ方がよさそうだなって思った。

女将?ママはアクシーを見送った後で、店の暖簾の前に立って一部始終を観察していた私に気付いた。
「あら?」
私をどう見たのか。察するに店の客が涼みに外に出てたか、携帯で電話してたか、喫煙してたんかと思ったようで。
なすび.jpg
「さっき電話した者です」
「ハイ、どうぞお入りください」
「カウンター?」
「カウンターでも何処でも空いてるところへどーぞ」

暖簾にはなすびが描かれていた。
ショウさんスミマセン、本文中に貴Blogタイトルを無断借用しております。
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